こんにちは。教育に携わり、いろんな方からの相談も受けている一福(いっぷく)です。
このブログでは主に小学校の教師の方に「これさえ知っていれば失敗しない」…いや「これさえ知っていれば今よりうまくいく」教育技術や教育スキル、その背景にある理論をどこよりもわかりやすく、丁寧に解説します。
そして現在、教師をされている方はもちろん、将来教師をめざされる方や育児や子育てで悩まれている方にもぜひ読んでいただきたいです。
なぜなら現在子育てに悩まれている方は本当に多く、そして年々その悩みは増えています。そして何より私自身、親として日々子育てに悩みながら生活しているからです。
子育ては本当に大変です。
そんな親御さんにも読んでいてためになる情報を発信することで親御さんの育児、子育てで悩まれているときに、「あ、こういうときってこうしたらいいって書いてたな」とふと思い出してもらい、そのときに「やってみたらなんだか…いつもよりもうまくいったかも。」と思ってもらえると私自身すごく幸せです。
ちょっとした時間にいっぷくがてら読んでください。
それでは今回のテーマ「子どもの心を育てる唯一の言葉がけ」です。
この記事を読んでほしい人
この記事は、0歳から10歳くらいまでの子どもと関わっている人が
無意識に使ってしまいがちな言葉が子どもの心をゆがめてしまうのを今日から変えて、健康な心を育てる言葉がけをしたい人に絶対に読んでほしい内容です。
現在子どもと関わっていない人も将来子どもと関わるかもしれませんし、友人や家族の子どもと関わるときにも意識して言葉がけしていると、子どもに好かれやすいので、おすすめです。
あなたの言葉がけは正しいですか?
突然ですが質問です。
「公園で子どもが突然走り出し、子どもがこけて大泣きしてしまいました。あなたはどんな言葉をかけますか?」
さて、あなたはこの子どもにどんな言葉をかけてあげますか?
一度考えてみてください。
いい言葉がけが見つからなかったり、思いついても少し不安だったり、果たして正しいのかわからないという人はぜひ続きをどうぞ。
例1 早く泣き止みなさい!強い子でしょ。
ぎゃんぎゃんと泣く子どもに対して、「早く泣き止んでほしい」という大人の気持ちはわかります。そしてこけたぐらいですぐに泣いてしまう子どもではなく、「強い子に育ってほしい」と願う大人の気持ちはわかります。しかし、これは言ってはいけない言葉がけになります。
例2 突然走ったらダメでしょう!
突然走ったことでけがをしてしまうかもしれないので、大人は子どもに突然走ってはいけないことを教えないといけませんよね。
だからこういう言い方で子どもを叱ってしまうのもよく見かけます。
気持ちはすごくよくわかるんですけどね。
でもこれもよくない言葉がけです。
では、次はどうでしょう。
例3 「ほら、(パパの・ママの・先生の)言ったとおりでしょ。」
例えばこれはどうでしょう?
「ほら、言ったでしょ。突然走るからこけるんだよ。」
子どもが突然走り出してしまったことで、子どもがこけてしまうのは、よくあることです。
大人からするとこうした姿は事前に予期することができるので、子どもがこけてほしくない気持ちから、子どもが突然走り出してしまったときに「あぶないよ!」と声をかけていたかもしれません。
しかし、子どもがそれを聞いておらず、こけてしまった。
んー言いそうですよね(笑)
でも、この言葉は残念ながらダメです。
言いがちなんですけどね。優しく言えばいいということではありません。
もしかするとここまで読んでくれた中にあなたが思った言葉はないかもしれん。
さてあなたならどんな言葉をかけたでしょうか?
では、どういう言葉がけをすればいいのか?
答えは「痛かったね。」です。
みなさん気づきましたか?
当たり前ですが、走ってこけちゃった子は、こけてしまった後、泣いているのです。
泣いている子どもにまず最初にかけてあげないといけない言葉は、その子に「泣き止ませること」でも「次どうしたらいいのか」でもなく、「その子の気持ちを大人がわかってあげること」です。
すごく当たり前のことなのですが、いざ自分の目の前で突然子どもがこけてしまうと、それにまず驚いてしまったり、子どもを心配するあまり叱ってしまったりして、子どもにこのような言葉を言ってしまったりしまうのです。
しかしこれは全部親の都合で出てきた言葉で今泣いている子どもの気持ちを何一つわかってあげられていないんですよね。
だからこそ、まず最初に「痛かったね。」と言ってあげることが大切なのです。
また子どもは「痛かったね。」と大人に言ってもらうことで「あぁ、これが痛いってことなんだな。」と体にめぐる不快なものを「痛み」として認識できるようになり、ただ「泣く」のではなく、いずれ「痛い」と言うことができるようになるのです。
ダメな言葉がけを続けてしまったらどうなるの?
では先ほどまでに紹介していた「泣き止みなさい」や「走ったらダメでしょう!」、「ほら言ったとおりでしょ。」と子どもの気持ちをわからない葉がけをし続けてしまった場合、子どもの心はどのようになってしまうのでしょうか?
気持ちをわかってもらえない子どもの心はだんだんとゆがんでしまう。
例1の泣き止みなさいの場合ですが、子どもは体をめぐる不快な気持ちを「泣き止みなさい」と言われることにより、その気持ちをなかったことにしようとします。
「痛み」さえなかったことになれば、泣き止むことができるからです。
例2も同じで、「痛み」さえなかったことになれば、怒られることはなかったのです。
例1も例2の場合も、痛みをなかったことにして、泣かないことにより、大人から「強い子だね。」と言われることにより、より「そういう痛みを感じない方がいいんだ。」ということになり、自分の感情を「押し殺してしまう」ことになるのです。
これは文字通り「自分の気持ちを殺してしまう」ことになるので、いずれ心がゆがんでいってしまうのはわかると思います。
例3も結局のところ自分の気持ちをわかってもらえていないと子どもが感じてしまうので、大人に対して「私の気持ちなんてわかってもらえない」となっていき、将来、大人に対して不信感をもってしまったり、誰にも自分の気持ちなんてわかってもらえないと思ってしまったりしてしまうことになります。
いずれにしても、ここで絶対にしてはいけない言葉がけは「その子の気持ちをわかってあげずに親の気持ちで子どもに言葉がけをすること」です。
逆言うと、ここで絶対してあげてほしい言葉がけは「その子の気持ちをわかってあげる言葉がけをすること」になります。
「痛かったね。」と言うことのポイント2つとそのメリット
「痛かったね。」と言ってあげることには、その子の気持ちをわかってあげている言葉ですが、より「子どもの気持ちをわかっているよ。」と子どもに伝わえる方法が2つあります。
1つ目は痛そうにしているところを撫でてあげることです。
2つ目はその子の顔を見ながら、大人も「とても痛い」という顔をすることです。
1つ目は説明不要のようにも感じますが、簡単に説明すると、痛いところを大人の人に直に触ってもらうことで、子どもは安心します。スキンシップと同じイメージですね。
2つ目はどうでしょうか?痛くもない大人が痛そうな顔をすることに一見、意味はなさそうに思えるのですが、実は結構意味があります。これは、痛そうな顔をすることで、親もその子と同じ気持ちになれます。また子どもは「痛いときはこんな顔をするんだ。」と痛いときの身体表現も学ぶことができます。いずれ言葉と一緒に「痛い(痛そうな顔で)」表現できるようになることで、自分の気持ちを誰かにわかってもらえるようになるのです。
まとめ
いかかでしたか。今回は子どもがこけてしまった時を例に「子どもに絶対間違えてはいけない言葉がけ」を紹介するなかで、逆に「絶対してほしい言葉がけ」も紹介させてもらいました。
こけたときに限らず、子どもが何か失敗したときになどには、親の気持ちはまずは置いておいて、その子の気持ちをわかってあげられるような言葉がけができるといいですね。
子どもの健やかな心を育めるように今日から意識して一緒に頑張りましょう。
何かを始めるのに遅すぎるということはない。
地道に一歩。今日から一つひとつ始めていきましょう。
それでは、最後まで読んでいただいてありがとうございました。
一福笑
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